「まだ雨漏りしていないから大丈夫」そう思っていませんか?実は、防水工事は雨漏りが発生してからでは手遅れなケースも少なくありません。建物の寿命を延ばし、結果的に修繕コストを抑えるためには、劣化のサインを早期に発見し、「予防」として計画的に工事を行うことが重要です。この記事では、ご自身で確認できる劣化のサインから、専門家による正しい診断の重要性までを解説します。
なぜ「雨漏りしてから」では遅いのか?
雨漏りが室内で確認できるということは、すでに雨水が屋上の防水層を突破し、コンクリートの躯体を抜け、天井裏にまで到達している状態です。この段階では、目に見えない建物の内部で深刻なダメージが進行している可能性があります。
例えば、雨水が鉄筋に達すれば錆が発生し、膨張してコンクリートを内部から破壊してしまいます(爆裂現象)。また、常に湿った状態が続くことで、断熱材が機能しなくなったり、木材が腐食したりする危険性も高まります。こうなってしまうと、単なる防水工事だけでは済まなくなり、躯体の補修といった大規模な工事が必要になります。その結果、工事費用は当初の何倍にも膨れ上がってしまうのです。
【今すぐチェック!】見逃し厳禁な防水層の劣化サイン5選

大切な建物を守るためには、大きなトラブルになる前の小さなサインに気づくことが大切です。まずはご自身で屋上やバルコニーの状態をチェックしてみましょう。
サイン1:ひび割れ(クラック)
防水層の表面に、髪の毛のような細い線や、より深い亀裂が入っていませんか。これは経年劣化による硬化が主な原因です。最初は表面的なひび割れでも、放置すると雨水が浸入する入口となり、ひび割れが内部で拡大していく可能性があります。
サイン2:色あせ・塗膜の剥がれ
防水層の表面が全体的に白っぽく色あせたり、塗装が粉っぽくなったり(チョーキング現象)、ペラペラと剥がれたりしている状態です。これは防水層を紫外線から保護しているトップコートが劣化しているサイン。防水機能低下の初期症状であり、防水層本体の劣化を早める原因となります。
サイン3:シートの浮き・膨れ
防水シートの一部が浮き上がっていたり、風船のように膨らんでいる箇所はありませんか。これは防水層の下に水や空気が入り込んでいる非常に危険なサインです。膨れた部分は非常に破れやすく、雨漏りに直結する可能性があります。
サイン4:水たまりができる
雨が上がって時間が経っても、屋上の一部に水たまりが残っていませんか。これは排水口(ドレン)の詰まりや、床の凹凸・歪みが原因で水はけが悪くなっている証拠です。常に水に浸かっている状態は、防水層の劣化を著しく早めてしまいます。
サイン5:雑草やコケの発生
排水口の周りや床の隅に雑草やコケが生えている場合、そこに土やホコリが溜まり、常に湿潤な環境になっていることを示しています。植物の根は非常に強力で、防水層を突き破ってしまい、そこから雨水が浸入する原因となります。
セルフチェックだけでは不十分!プロの「建物診断」が重要な理由

セルフチェックで異常を発見した場合、あるいは特に異常が見当たらなくても前回の工事から10年以上経過している場合は、一度専門家による「建物診断」を受けることを強くお勧めします。なぜなら、プロは表面的な症状だけでなく、その奥に隠れた根本原因まで見抜くことができるからです。
表面だけではわからない「隠れた原因」を特定できる
専門家は、目視での確認はもちろん、打診棒で下地の浮きを音で確認したり、場合によっては専門の機器でコンクリートの含水率を測定したりします。これにより、なぜひび割れが起きているのか、膨れの原因はどこにあるのかといった、表面だけではわからない根本原因を正確に特定します。
建物全体の状態から最適な補修方法を判断できる
防水の劣化は、屋上だけの問題とは限りません。外壁のひび割れやシーリングの劣化が原因で、建物内部に水が浸入しているケースも多くあります。経験豊富な専門家は、屋上、外壁、開口部周りなど、建物全体を包括的に診断し、最も効果的な補修方法を判断します。
正確な診断書が「計画的な修繕」の第一歩になる
「一級防水施工技能士」のような国家資格を持つ専門家が作成した詳細な診断書は、建物の健康状態を示す「カルテ」のようなものです。写真付きで劣化状況が示された信頼性の高い診断書は、マンションの理事会やオーナー様ご自身が、今後の修繕計画を立てる上で非常に重要な判断材料となります。
小平市周辺の建物診断なら、オーエス技研にお任せください

私たちオーエス技研では、大きなトラブルに発展する前の「予防保全」こそが、お客様の大切な資産を守る最善の方法だと考えております。
国家資格を持つ専門家が、お客様の建物に伺い、無料で詳細な劣化診断を実施いたします。「チェックリストに当てはまる項目があった」「まだ工事をするか決めていないけど、一度状態を見てほしい」といったご相談も大歓迎です。まずはお気軽に、建物のプロによる診断をご利用ください。
【まとめ】
大切な建物を長く守る秘訣は、日々の小さな変化に気づき、手遅れになる前に対策を打つことです。今回ご紹介したチェックリストで気になる点があれば、それは建物からの重要なメッセージかもしれません。深刻な事態に陥る前に、一度専門家による建物診断を受けてみることをお勧めします。

